【レポート】『組織のDX推進に求められる“部門連携型データ分析”とは』を開催しました

【レポート】『組織のDX推進に求められる“部門連携型データ分析”とは』を開催しました

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2020年7月28日、株式会社クロス・マーケティング様と弊社クラスメソッド株式会社共催によるウェビナー『組織のDX推進に求められる“部門連携型データ分析”とは』を開催しました。

本エントリはウェビナーのレポートになります。

アジェンダ

  • 第1部 部門連携型データ分析の実現に向けて
    株式会社クロス・マーケティンググループ 峯俊洸大様
  • 第2部 アナリスト視点からのAlteryx活用
    株式会社クロス・マーケティンググループ 峯俊洸大様
  • 第3部 システムエンジニア視点からのAlteryx活用
    株式会社クロス・マーケティング 関真治様

クロス・マーケティングについて

株式会社クロス・マーケティング様は、Marketing Intelligence Companyとして、マーケティングリサーチのみならず、データマーケティング、グローバル、コンサルタンシーと様々な領域に発展を続けております。

今回ご登壇いただいた峯俊様と関様は、データマーケティング事業に携わっております。データマーケティング事業では、行動データと意識データを掛け合わせることで顧客のインサイトを解明し、施策に向けた意思決定の支援を行っております。

データマーケティング事業にて活躍されている峯俊様と関様から、"部門連携型データ分析"というテーマでお話いただきました。

第1部 部門連携型データ分析の実現に向けて

脱サイロ化!"部門連携型データ分析"とは?

なぜDX(デジタル・トランスフォーメーション)が求められるのか、その背景として、"マス単位"ではなく"個人単位"でのコミュニケーション戦略への移り変わりがあります。これまでの"マス単位"でのコミュニケーション戦略では性別、年齢といった大まかな属性によるターゲット設定により分析が行われていたものが、"個人単位"でのコミュニケーション戦略が一般的となりました。各個人の行動履歴や趣味趣向といった詳細なターゲット設定が必要となり、多様なデータを用いて様々な視点から分析を繰り返し行うことが必要となりました。

分析を繰り返し行うような柔軟なデータ活用を妨げるのが、システムや作業プロセスの連携が取れていないことによる"サイロ化"です。IT部門が分析用データを決まった形式で出力し、現場部門がIT部門から受け取ったデータを元に分析するという月次プロセスの場合、定型での分析は可能ですが、新しい視点へと発展しづらいという問題があります。

"サイロ化"を解消し、データの抽出、加工、分析の一連のプロセスにおいて各部門が連携して組織全体で回していくことが、"部門連携型データ分析"です。IT部門と現場部門がお互いにやり取りをしながら分析を進めていくことで、分析の幅を広げていくことができます。"部門連携型データ分析"は柔軟な分析を行う上では欠かせないものとなります。

ETLツールを活用した部門連携がデータ分析のススメ

"部門連携型データ分析"の実現には、部門ごとに散らばったデータを集約するハード面での整備と、部門の垣根を越えて活用できる人材の育成が重要となります。データ整備と人材育成の双方を推し進めていく手段の1つとして、ETLツールの活用があります。

ETLツールを用いることで複数のデータベースに接続してデータの取得が可能であるため、既存システムを置き換えることなく社内データの連携が行えます。また、ETLツールを用いることで直観的な操作が可能となるため、IT部門と現場部門のようにスキルセットの異なる部門間でも共通してデータの変換や加工を行っていくことができます。

ETLツールは、大量のデータの素早い処理といったIT部門に求められるスキル、データの分析といった現場部門に求められるそれぞれのスキルの双方に対応できます。重要なのは、お互いの部門がこれまでやってこなかった業務領域にもETLツールを使って挑戦してみることにあります。双方のスキルを磨くことがETLツールの活用を通じた人材育成になります。

第2部 アナリスト視点からのAlteryx活用

プログラミング未経験でも大丈夫!アナリストによるAlteryx活用

峯俊様は株式会社クロス・マーケティング様への入社前はリサーチ特化のアナリストで、リサーチデータの分析は得意な一方、プログラミングは苦手とされていました。しかし入社後の現場では、リサーチデータだけなくログデータを掛け合わせた分析スキルが求められました。ログデータはレコード数がとても多く、データの抜けや重複があったりするため、整備が必要になってきます。そのためデータの変換や統合、加工まで業務範囲を広げる必要がありました。

そこで活用しているのがAlteryxになります。ツールをドラッグ&ドロップし、ツールを線でつなげていくことでワークフローという処理を作成していきますので、プログラミングの知識がなくても操作が可能です。

アナリスト視点からのAlteryx活用メリット

Excelでは対応できずAlteryxで対応できたこととして、大量のデータ処理、複数データソースを用いた処理、シームレスなデータ更新が挙げられます。

Alteryxでは作業工程をワークフローとして保存し、他のメンバーに共有することができます。株式会社クロス・マーケティング様で提供されているBIツール活用支援サービスBI Crossの業務の中では、AlteryxでアンケートデータをBIツールで扱うためのデータ形式に変換するワークフローを作成することで、処理手順をフォーマット化することにより作業を効率化しています。また、ワークフローを通じて、他の担当者への引き継ぎ、バッググラウンドが異なるメンバーとの連携をスムーズに行えております。

峯俊様がアナリストとしてAlteryxを活用したことによるメリットについては、研究者アナリストからビジネスアナリストへの変化を挙げられています。リサーチデータだけではなく複数のデータから客観的な考察をできるようになったこと、分析結果をビジネスに結び付ける必要性を実感するようになったこと、バックグラウンドが異なるメンバーとのやり取りの中で組織全体での効率化を追い求めるようになったことで、アナリストの自己価値向上へとつながりました。そして、自己価値向上により所属組織の価値も向上させられるということが、アナリストがAlteryxの活用を通じて得られるメリットであると感じています。

第3部 システムエンジニア視点からのAlteryx活用

システムエンジニア視点からのAlteryx活用メリット

多くのシステムエンジニアはデータの操作にSQLを活用しているため、ETLツールを活用する機会が少なくなっていました。しかし、データ活用のニーズの高まりにより、"効率よく""早く""正確に"データを操作することが必要不可欠となりました。その解決策の1つがAlteryxの活用となります。

Alteryx活用のメリットとして以下の点が挙げられます。

  • メリット1:データ接続が容易
    • 同一プラットフォーム上で形式に関係なく入力・出力データを直観的に接続可能
  • メリット2:透明性
    • 処理がワークフローとして可視化されているため直観的に理解しやすい
    • 関係者間での共有や説明が容易
  • メリット3:コード作成と検証の効率化
    • ツールを組み合わせて実現したい処理を簡単に作成可能
    • デバックやエラーの発見が容易
    • ツールごとに処理の結果を確認でき、全体の検証が容易
  • メリット4:書き換えの効率化
    • 処理がツールの組み合わせのため、変更箇所が明確
    • 作成者以外の検証やレビューが容易
    • 枠で囲うことや色付きコメントも付けられるため、視認性・可読性を高められる
    • 誤りの発生を最小限にし、変更コスト(工数)を抑制
  • メリット5:部門を超えた分析と共有
    • 同一プラットフォーム上で分析でき、結果の共有が容易
    • 分析作業の効率化
    • 現場のデータ活用が促進

Alteryxフロー実践

Alteryxにはデフォルトで200種類以上のツールがあり、組み合わせることでSQLと同様の処理を実現することができます。

ここからは実際の画面を用いて、MySQL WorkbenchによるSQL処理と同じ処理をAlteryx Designerを使う場合のデモとなります。

customerテーブルとpaymentテーブルの2つのテーブルからデータを取得し、以下の手順で処理を行いました。 ※デモデータには、MySQLのサンプルデータベースの「DVDレンタルショップ」を利用しています。

  1. 結合
  2. 条件指定
  3. 取得項目指定
  4. 集計
  5. 並び替え
  6. 結果表示

MySQL WorkbenchによるSQL処理の画面:

Alteryx Designerによるワークフロー処理の画面:

続いて、AlteryxでSQL文を扱う場合の操作のご紹介になります。データ入力ツールでは、SQL Editorという画面でSQL文を入力して使うことができます。

最後に、部門連携型データ分析として、各部門のデータベースから収集したデータを使って分析を行うワークフローをご紹介いたしました。

質疑応答

ウェビナーにご参加いただいた方からご質問をいただきました。サポートスタッフがQAにてテキストで回答したものと、峯俊様と関様がライブ回答したものがございますが、こちらでまとめて記載いたします。ご質問いただいた皆様、ありがとうございました。
なお、ウェビナーの流れの中でのご質問をいただいていた都合上、文章のみ抜き出すとご質問の意図が分かりづらいものがございます。本エントリでは括弧でご質問の文章を補足させていただきました。

Q1: (Alteryxの)競合商材は御座いますか?

クロス・マーケティング社サポートスタッフ(以下サポートスタッフ):利用用途によって比較対象が異なります。ピンポイントでお答えするのは難しいですが、Alteryxの優位性としてはビジネスユーザーでも使えるデータ加工や分析を実現できるツールです。

Q2: 調査データ以外では、どのようなデータと混ぜて分析し、どのようなビジネスに向けたアウトプットを出しましたか?

峯俊様:BtoBのお客様の年間の売り上げ履歴を元に、クライアントのランク付けを行い、そこから各クライアントへの有効な施策は何かをアンケートデータを用いて意識面から解明していく、というアウトプットを出したことがございます。アンケートデータとログデータを掛け合わせて分析するという処理もAlteryxを活用しています。

Q3: Alteryxを使用する前にExcel以外のツールを使って分析をされていましたでしょうか?

峯俊様:主に使っていたのはSPSSやRを使っていました。Rに関してはかじった程度、SPSSはボタンを押すだけで集計や加工が行えるので、コードを書いて処理するというところはやっていなかったため、Alteryxには助けられています。

Q4: Tableau Prep ではなく、Alteryxを使用するメリットは何ですか?

峯俊様:社内でTableau Prepを扱っているところもありますが、Alteryxは非常に多くのデータベースに接続できることが1つのメリットです。Alteryxで分析までを行い、Tableauでアウトプットするという使い方もできるため、Alteryxを活用しています。

サポートスタッフ:ライブで回答させていただいたような使用感に加えまして、国内でのサポート体制やコミュニティが活発のため、学習コストが低いことが挙げられます。どうしても海外製の他ツールになりますと、海外コミュニティを参照するケースが多いため、積み重なると大きな差となってまいります。

Q5: 100億件程度のレコードの集計・分析がしたいのですが、可能ですか?

峯俊様:100億件というレコードの集計・分析は対応したことはありませんが、おそらく対応可能と考えられます。Excelでは対応できる範囲に限界がありますが、Alteryxでは想像以上にスムーズに処理が行えるので、膨大なレコードの分析に困っている場合はAlteryxを活用することをご検討いただいてもいいかと思います。

Q6: Alteryxのインデータベースツールはお使いになっていらっしゃいますか?使っていらっしゃるのであれば、使う際に不便に感じることなどありましたらご教示いただけますでしょうか?

サポートスタッフ:クライアント企業様よりcsv形式等でデータをお預かりすることが多く、インデータベース機能を使用するシーンは多くはございません。ご回答ができず申し訳ございません。

Q7: データ接続できるデータベース群は、全て標準で利用可能でしょうか。また、ワークフローを予約実行はできますか。

関様:ワークフローの予約実行は、Alteryx Serverの方で対応可能です。データベースに関してはある程度標準でご用意がございますので、問題ないかと存じます。

Q8: 他部門にワークフロー自体を渡すということは多くあるのでしょうか?

サポートスタッフ:異なるプロジェクト間では共有しております。

さいごに

『組織のDX推進に求められる“部門連携型データ分析”とは』のウェビナーのレポートをお届けしました。アナリスト視点、システムエンジニア視点で双方からのAlteryx活用のメリットが分かる貴重な機会になったのではないでしょうか。ウェビナーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

(2020/8/6追記) 本ウェビナーの動画は、以下のURLにてご視聴いただけます。
https://www.cross-m.co.jp/other/video/20200728/
※こちらの動画を視聴するにはクロス・マーケティング様への無料会員登録が必要です。

また、クロス・マーケティング様のようにAlteryxをお使いになりたいお客様がいらっしゃいましたら、弊社までお気軽にご相談ください。

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